高校生の生物の勉強法

生物は理科の中で最も暗記量の多い科目ですが、
中間テスト・期末テストの定期テストでは
テスト範囲が絞られますので、
高得点を狙うチャンスです。

高校生の生物の勉強法

生物は理科の中で最も暗記量の多い科目ですが、
中間テスト・期末テストの定期テストでは
テスト範囲が絞られますので、
高得点を狙うチャンスです。

理系の高偏差値の難関大学・学部を受験する場合は、二次試験において理科2科目が必要となる可能性が高いです。よって、理系学生にとって理科2科目は数学と同等に重要な科目だと言えます。

物理や化学は計算が多くて苦手だという人の中には、生物を選択する受験生も多いかと思います。地学では受験できる大学・学部がかなり絞られてしまいますが、生物であれば受験可能な大学・学部は十分豊富です。

しかし生物は覚えないといけない用語や知識がかなり多いので、覚えるポイントがつかめていないと時間を費やした割に点数に結びつかないという人もよくいます。もちろん数学や英語など他科目にも時間を割かないといけないので、生物ばかりに時間を掛けるわけにはいきません。どうにかして、生物の効率の良いテスト勉強のやり方をつかみたいところです。

①生物は暗記しないといけない知識量が多い科目です。考察問題には要注意。

生物は暗記しないといけない知識量が多い科目

生物を物理や化学と比較してみると、特徴としては一般的に暗記量がかなり多くなります。数学的な計算があまり必要とされず、授業で習う重要箇所をしっかりと記憶すれば試験での得点率が比較的安定しやすいと言えます。覚える量がかなり多い暗記科目とはいえども、単に暗記しただけでは対応できない考察問題もあり、この考察問題が解けるかどうかで生物の試験で高得点が取れるかどうかが決まります。考察問題は共通テストでは必ず出ますし、多くの難関大学の2次試験でも出てきます。生物のテスト勉強をする際にはこのような考察問題の対策にも取り組みましょう。

物理や化学に比べると理解力・計算力があまり問われません。暗記の量が勝敗を分けると言っても過言ではありません。ですからしっかりと暗記する勉強ができれば高得点が望めます。その反面、生物をマスターしようと思うとかなりの時間を費やして記憶しないといけません。理系学生は数学にも大きく時間を掛けないといけませんし、文系学生は社会2科目に対する暗記も相当必要なので、生物ばかりに時間を使うわけにいきません。そういった意味では、生物はある程度の点数は取りやすくても、満点を取るのは難しい科目だといえます。

②生物のテスト勉強対策講座。定期テストで80点以上の成績を取るための勉強法

生物の定期テストで80点以上の成績を取るための勉強法

生物は理科の中で最も暗記量の多い科目ですが、中間テスト・期末テストの定期テストにおいてはテスト範囲が絞られますので、記憶もしやすく高得点を狙うチャンスです。定期テストで良い成績を取れると、内申点UPにつながります。また、自信が付きやる気も出ることにより、さらに勉強を頑張ろうとする良いサイクルができあがります。

生物に対して苦手意識が強い高校生だと、どういったテスト勉強をすれば点数を伸ばせるか分からないという声をよく聞きますが、まずやはり軸にするべきなのは学校の授業・教科書です。高校の授業中に先生が解説してくれる重要ポイントは定期テストに当然出やすいので、授業をしっかり聞いているだけでも大きなテスト対策になります。

もちろん、本番の入試問題は定期テストほど簡単ではありませんが、常日頃からの授業・教科書に対する努力は決して無駄にはなりません。というのも、大学受験というのは複数の科目の勉強を同時進行しないといけないので、学校の授業中に理解しておくことで少しでも時間効率を良くすることができます。トータル的にとても効率の良い学習スケジュールを完成させることができるという意味で、生物は授業中に頑張って理解をしておきましょう。またもちろん、高3になっていざ本格的に生物の受験勉強を始めようとなったときに、授業中に得た知識を活かしてスムーズに受験勉強に入っていきやすいというメリットもあります。

さて、生物の定期テストで良い成績を取るためには、毎回の学校の授業を大切にし、その日のことはその日のうちに理解する習慣を付けないといけません。そこでポイントとなる勉強法は「予習・復習」です。

まずは“予習”です。翌日の授業で習う教科書の範囲に目を通し、明日授業でどのようなことを習うのかイメージを持っておきましょう。翌日の授業において生物の先生が詳しく説明してくれますので、予習時点では意味の分からなかった部分を授業中にきちんと学ぶことができます。生物という科目は暗記科目ではありますが、丸暗記では薄っぺらな記憶にしかならないので、学校の授業の説明をきちんと聞いた方が記憶に定着させやすいでしょう。予習をせずに授業を受けている他の生徒たちに大きく点数の差を付けることができます。

次に“復習”です。予習をしていったことで授業の内容が理解しやすかったでしょうが、安心するのはまだ早いです。今日の授業で習った用語や原理は、帰宅後に復習することをおすすめします。疲れて帰宅する日もあると思いますが、5分~10分でも構わないので教科書・ノートの内容を見直すなどしておきましょう。そうすれば全く復習しなかった場合と比べて、理解が深まり記憶が定着しやすくなるはずです。コツコツの積み重ねが、受験期に必ず活きてきます。

③生物基礎の範囲を確認しよう。「生物の特徴」「遺伝子とそのはたらき」「生物の体内環境」「植生の多様性と分布」「生態系とその保全」。

生物基礎の範囲

生物基礎の範囲は、「生物の特徴」「遺伝子とそのはたらき」「生物の体内環境」「植生の多様性と分布」「生態系とその保全」の5章で構成されています。

第1章『生物の特徴』では、「生物の多様性と共通性、生命活動とエネルギー、代謝と酵素、光合成、呼吸、ミトコンドリアと葉緑体の由来」などについて学習します。酵素のはたらき、光合成と呼吸の学習を通して、生物が代謝によってエネルギーを取り出していることを理解しましょう。

第2章『遺伝子とそのはたらき』では、「遺伝情報とDNA、遺伝情報とタンパク質、細胞分裂と遺伝情報の分配、ゲノム」などについて学習します。遺伝情報は正確に複製されて受け継がれること、それぞれの細胞では全ての遺伝子が発現しているわけではないことを理解しましょう。

第3章『生物の体内環境』では、「体内環境と恒常性、体液とその循環、血液の凝固と線溶、腎臓と肝臓の役割や構造、自律神経系と内分泌系、免疫」などについて学習します。

第4章『植生の多様性と分布』では、「植生の構造、植生の遷移、気候とバイオーム」などについて学習します。地球上には様々なバイオームが見られること、どのようなバイオームが分布するかは主に気温と降水量によって決まることを理解しましょう。

第5章『生態系とその保全』では、「生態系の成り立ち、炭素の循環とエネルギーの流れ、窒素の循環、生態系のバランス」などについて学習します。

(数研出版『改訂版 生物基礎』を参照)

共通テストの生物基礎においては、教科書の基礎知識が問われます。テスト勉強をする際には、全分野それぞれ苦手を作らないようにしておきましょう。詳しくは次の項で解説します。

④共通テスト『生物基礎』の過去傾向を分析。知識問題ばかり出ます。

共通テスト『生物基礎』の過去傾向を分析

共通テストの『生物基礎』は例年、3つの大問パターンで構成されています。大問1は「生物と遺伝子」から、大問2は「生物の体内環境」から、大問3は「植生の多様性と生態系」からの出題です。全部でマーク数が17個であり、他の理科基礎科目と比べるとやや問題数は多めです。しかし、単純知識で解ける問題が多いので、時間は十分足りると思います。

生物基礎の問題の特徴はほぼ全問が知識問題であるという点が挙げられます。計算問題は1問出るかどうかという程度です。用語や語句を答えるような単純知識を問う問題と、生物用語に関する説明文の中から正しい(または誤りのある)選択肢を選ぶ問題ばかりです。後者の選択肢問題ではかなり正確な知識の記憶が求められます。グラフや図を用いた問題も出るので、過去問演習の際にチェックしておきましょう。

難問奇問は出ず、教科書の基礎的な内容を幅広く正確に理解できていれば高得点が狙える科目です。

⑤生物の範囲を確認しよう。「細胞と分子」「代謝」「遺伝情報の発現」「生殖と発生」など9つの章があります。

「細胞と分子」「代謝」「遺伝情報の発現」「生殖と発生」など

生物の範囲は、「細胞と分子」「代謝」「遺伝情報の発現」「生殖と発生」「動物の反応と行動」「植物の環境応答」「生物群集と生態系」「生命の起源と進化」「生物の系統」の9つの分野で構成されています。

第1章『細胞と分子』では、「生体を構成する物質、タンパク質の構造と性質、酵素のはたらき、細胞の構造、物質輸送とタンパク質、情報伝達・認識とタンパク質」などについて学習します。細胞活動において様々なタンパク質が様々な生命現象を支えていることを理解しましょう。

第2章『代謝』では、「代謝とエネルギー、呼吸と発酵、光合成、窒素同化」などについて学習します。呼吸においては、有機物が分解されATPが合成されることを理解しましょう。光合成においては、光エネルギーが化学エネルギーに変換されることを理解しましょう。

第3章『遺伝情報の発現』では、「DNAの構造と複製、遺伝子の発現調節、バイオテクノロジー」などについて学習します。生物基礎で学んだDNAの構造・複製・タンパク質合成について、その詳細な仕組みを理解しましょう。

第4章『生殖と発生』では、「遺伝子と染色体、減数分裂と遺伝情報の分配、遺伝子の多様な組み合わせ、動物の配偶子形成と受精、初期発生の過程、細胞の分化と形態形成、植物の配偶子形成と発生」などについて学習します。有性生殖では、減数分裂と受精によって多様な遺伝子の組み合わせが生じることを理解しましょう。

第5章『動物の反応と行動』では、「ニューロンとその興奮、刺激の受容、ヒトの脳や脊髄の構造やはたらき、刺激への反応、動物の行動」などについて学習します。まず、ニューロン(神経細胞)の基本的な構造とそのはたらきを理解しましょう。

第6章『植物の環境応答』では、「発芽の調節、成長の調節、環境の変化に対する応答、花芽形成・結実の調節」などについて学習します。植物は成長を調節するなどして環境に応答しており、環境応答には様々な植物ホルモンや光受容体が関与していることを理解しましょう。

第7章『生物群集と生態系』では、「個体群、個体群内の個体間の関係、異種個体群間の関係、生物群集、生態系における物質生産、生態系と生物多様性」などについて学習します。個体群や生物群集のそれぞれの特徴を理解しましょう。

第8章『生命の起源と進化』では、「生命の起源と初期の生物の変遷、多細胞生物の変遷、進化のしくみ」などについて学習します。生命の誕生や生物の変遷は、地球環境の変化と密接に関係していることを理解しましょう。

第9章『生物の系統』では、「生物の分類、生物の系統、生物の多様性」などについて学習します。

(数研出版『改訂版 生物』を参照)

⑥共通テスト『生物』の過去傾向を分析しよう! 遺伝子、タンパク質、神経、ホルモン、植物などが頻出です。

共通テスト『生物』の過去傾向を分析

共通テストの『生物』は例年、7つの大問パターンで構成されていますが、大問6と大問7はどちらか一方を選択して解くという形式です。大問1は「生命現象と物質」、大問2は「生殖と発生」、大問3は「生物の環境応答」、大問4は「生体と環境」、大問5は「生物の進化と系統」、大問6は「年度により様々」、大問7は「年度により様々」からの出題です。

共通テストの生物を攻略して良い点数を取るためには、まずは教科書の基礎知識をまんべんなく押さえることが重要です。正誤判定問題に対応できるように、教科書レベルの用語・語句についてはなるべく正確に知識を蓄えておきたいです。生物基礎では単純な知識問題ばかりが出ますが、生物では実験結果の考察問題も頻出なので、実験データを読み取る力や思考する力が求められます。考察問題はある程度の慣れも必要なので、過去問演習で考察問題の経験を積み、必ず解答解説を読み込んで解答の流れを理解するようにしましょう。また、典型的な遺伝の計算問題なども苦手を克服しておきましょう。

生物は2次試験の対策がそのまま共通テスト対策にもつながりますが、知識問題に関しては共通テストの方が幅広く細かい知識が必要となるので、高校3年生の夏以降は共通テストに特化した対策も取っておいた方が良いでしょう。知識問題は一度覚えただけではすぐに忘れてしまうので、何度か反復することを見越したスケジュールを立てたいですね。もちろん点数UPのためには過去問をやり込むことが非常に効果的なので、過去問をやって間違えた問題は必ず克服しておきましょう。

⑦生物の2次試験は大学によって形式が様々です。

生物の2次試験は大学によって形式が様々

共通テストの『生物基礎』は単純知識問題だらけであり、共通テストの『生物』は単純知識問題+考察問題+計算という問題構成です。 国公立大学2次試験や私立大学入試の『生物』は、大学によって問題形式が異なりますので、各々の大学に沿った対策を取る必要があります。大きく分類すると以下の4パターンが存在します。

Ⅰ:論述問題が中心のパターン(記述式)
Ⅱ:知識問題が中心のパターン(記述式)
Ⅲ:論述、知識、考察、計算問題のバランスが取れたパターン(記述式)
Ⅳ:共通テストのようなパターン(マーク式)

難関大学の多くは、上記の中でもⅠかⅢのパターンを採っていますので、論述対策が必須となります。やはり基本的に2次試験の生物は共通テストよりも難しいので、2次試験で生物を受験する予定の人は2次の記述・論述対策を軸にすることをおすすめします。共通テストの過去問演習に取り組むのは高3の夏以降で大丈夫です。論述問題を解くためには、教科書の丸暗記ではなく深い部分まで理解することがまずは重要です。加えて、他の人に対して文章で分かりやすく伝えるという技術も必要となります。論述問題の解き方がつかめていない方は、是非お気軽にドリームまでご相談ください。

⑧生物の入試問題に最適な問題集・参考書とは?

生物の入試問題に最適な問題集・参考書

生物の入試問題を解く力を付けるにあたって最適なものは教科書です。ほとんどの大学の入試問題に共通して言えることが、教科書の内容を参考に問題が作られており、教科書の内容を徹底的に理解することが合格点到達への一番の近道だということです。もちろんトップレベルの大学や医学部の入試問題では思考力の問われる初見問題が出てきますが、決して奇問が出るわけではなく、教科書で基礎の土台を作れていれば十分対応可能な問題です。

そして、自分の受ける大学の過去問もとても重要です。大学によって、校風も異なれば、どのような学生に入学してほしいかも異なり、それらの特徴が顕著に表れているのが入試問題です。ゆえに、その大学の過去問にみっちり取り組んでいくことこそ、ベストな志望校対策となります。

ただ教科書というものは硬い文章で書かれているので、参考書の方が読みやすくて分かりやすいと感じる人もいるでしょう。教科書を読むのが苦手だという人は、噛み砕いた文章で説明をしてくれている参考書を1冊手元に置いておいた方が良いかもしれません。

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⑨高校の生物で使用されている教科書の採択表はこちら

全国の高校で扱われている「生物」の教科書採択表は以下の通りです。
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